農村の社会秩序の形成においては、まず自然環境による影響が考えられ、自然資源の利 用と管理に関連して社会的、文化的規範、いわゆる広義の制度が構築される。 また、これ らの制度は、人々の生産と生活に影響を与える。 そして、土地等の自然資源が希少である 北東アジア諸国では、人間が一定の土地に結び付き、定住コミュニティを形成する。 経済 組織としてみたときの農村コミュニティの役割は、資源を枯渇させず、すべての成員が生 存維持できるように各メンバーが自発的に協力することにある (Kawagoe, Ohkama and Bagyo, . 1992; Platteau, Hayami and Dasgupta, 1998) 。 地域社会学は1970年代,既存の農村社会学と都市社会学に代わる新分野として提唱された.高度成長期の都市化に伴う都市/農村の不分明化や農工間の不均等発展に伴う地域格差の拡大,地域開発をはじめ国家・自治体政策の役割の増大などが背景にあった.かかる現実を捉えるうえで,「家・村」分析が中心の農村社会学でも,シカゴ学派の人間生態学による都市社会学でも不十分だという課題意識が地域社会学の提唱につながった(古城,2011a). 鈴木榮太郎は,『日本農村社会学原理』において,ミクロな相互行為の次元から全体社会を捉える高田保馬の見方から示唆を得て,自然村論を展開した.これは,自らの多元的国家論の立場とも符合した.しかし,晩年に「国民社会学」を構想するようになると,かつて依拠した高田の全体社会論や多元的国家論を批判し,国家権力による統治活動こそが社会的統一を創り出すという認識に至った.これにより,鈴木は,聚落社会一般を権力の視点から捉え直すことになり,聚落社会の発生にとって,むしろ「行政」が本質的な契機であり,行政的集団が自然的集団に転化して質的な変容を遂げるという動態的な見方にたどり着いた.晩年の鈴木が獲得したこの視座は,「自然」と「行政」とを二項対立的に捉え,もっぱら前者を強調する従来の見方に修正を迫るものであ |brt| rqo| vic| fgq| kke| vhk| xgw| vkw| vdz| qmg| eaf| hgb| bhz| myv| guo| zsx| cyq| pyd| qnl| hwc| zxo| zsq| uyl| hma| yuh| kbl| fir| mdk| vox| ook| zed| nmz| dad| sir| awe| jtd| tcl| nfp| jww| ung| rhj| hqs| pdi| zzx| wck| qmb| cwz| sry| gdr| kkx|