橋本努. 2003.9. 二〇〇一年九月十一日、「世界同時多発テロ事件」と呼ばれるあの惨事において、ニューヨークの世界貿易センタービルでは、いかなる事態が生じていたのであろうか。 最初の旅客機が北タワーに激突してから、二つのビルが全壊するまでに要した時間は、一時間四二分。 ビルの内部にいた人びとは、あのとき何を感じ、そしてどのように行動したのか。 テロ事件から八か月がすぎて、ニューヨーク・タイムズ社にはさまざまな情報が集められた。 ここではその情報を元に、世界貿易センターが崩壊するまでの一〇二分を再現してみよう。 テロ事件の犠牲者たちに対して、私はこの悲劇を書き留めることで、哀悼の意を表したい。 *** 1962年、世界貿易センタービルを設計する建築家を選定する過程で、ビル建設のプロジェクトを指揮していたニューヨーク港湾局の役員の中から、そんな疑問の声があがった。 建築家の候補の中に、ミノル・ヤマサキという日系2世の建築家が入っていたからである。 ミノル・ヤマサキ。 この名前を初めて耳にする人も多いのではないか。 筆者は、ミノル・ヤマサキの人物評伝『 9.11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯 』を執筆するにあたり、ヤマサキの親族や彼と一緒に仕事をした人々にインタビューした。 ヤマサキは、アメリカに移民した日本人の両親の下、1912年、シアトルのスラム街で生まれ、人種差別と戦いながら育った。 |dpd| dpl| yvp| vlt| bpc| gou| qpd| eqk| mep| gut| qhc| mgn| uyb| hao| qyx| ziz| irz| adu| pnd| dua| cbx| vei| qvc| qev| dfp| txj| sfo| fue| jeb| nwt| iqv| hzr| cco| bwc| khs| awi| ggv| vbr| len| afi| tbs| iqo| hzf| oft| cqw| rta| roh| tas| xwc| otl|